November, 5th 2018

 

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初出勤が、終わった

 

"とにかく 急がなくていいから

ひとつひとつ、丁寧に覚えてゆけばいいから"

そう、何度も何度も 魔法のように

唱えてくれた専務 課長 31歳歳上の先輩

 

誰かのために 料理をつくる ということは

食べてくれる誰か、がいる ということ

20代の前半に 好きなものを仕事にすることを

卒業したわたしは

ずっと、そういう仕事がしたいと思っていた

自分のしたことが、目の前の誰かに

ダイレクトに受け取ってもらえる仕事

 

今日、わたしのした作業は

明後日 誰かが受け取るお弁当にくっついている

自分のしたことが 知らない誰かの

けれど たしかな誰か、に 確実に届く って

すごく嬉しいことだ

 

おいしいごはんを作るように

真夜中にスープを煮込むように

大切なひとが「うまそう」と笑ってくれるように

毎日の単純作業に 願いを込めて

そんな仕事を わたしなりに、

ひとさじずつ できるようになれたら

 

写真は

昨夜は 寝る前に読んで

背筋がすうっ、と伸びた

松浦弥太郎さんの『100の基本』を

コーヒーと一緒に飲み込んだ

 

その中でも 好きな『八勝七敗』という

基本のことばを

 

『八勝七敗』

全勝すると、次には全敗というリスクがあります。

お相撲のごとく、八勝七敗の勝ち越しを目指しましょう。半分半分の引き分けより、ちょっと勝ち越すくらいが一番美しいと思います。勝てない時もあると知り、時には自分から勝ちを譲る。このバランス感覚を持つことが、ものごとを長く続ける秘訣です。

ーー松浦弥太郎『100の基本』

(マガジンハウス)

 

そうそう、恋人もこんなことを

繰り返し 繰り返し 言ってくれていたな

なにかにぶつかって

何度も 水底に飛び込んできたひとの言葉は

Strong という言葉が似合う

しなやかな強さ、がある気がする

 

目の前の料理には、勝ち負けがない

わたしは勝ち負けよりも

丁寧に仕事をしてゆきたい